ノンシリコンシャンプーとは


文字通り、シリコンが配合されていないシャンプーが、ノンシリコンシャンプーです。

成分表記で、「ジメチコン」「シクロメチコン」「シリカ」「シリル」「シロキ」「シラン」「シロキサン」などが成分名の一部にでも入っていたら、それはシリコンが配合されているシャンプーと思って間違いないでしょう。

逆に、これらの表記がないシャンプーが、ノンシリコンシャンプーです。

スカルプDもノンシリコンシャンプーです。

一般の高級アルコールシャンプーには、ほとんどシリコンが配合されていますが、最近ではノンシリコンも増えています。

アミノ酸シャンプーもノンシリコンは多く、石鹸シャンプーの多くはノンシリコンです。


そもそもシリコンとは


シリコン (silicone) とは、シロキサン結合 (Si-O-Si) を主骨格を持つ、人工の高分子化合物の総称です。

元素のケイ素 =シリコン(silicon) と区別するために、正確には「シリコーン」と表記されますが、一般的には「シリコン」と表記されることも多く、当サイトでもシリコンと表記しています。

シリコンの特性として、

・主骨格であるシロキサン結合は結合力が強いため、耐熱性が高く、化学的にも安定で酸化・分解されにくい
・紫外線や放射線にも影響を受けにくく、耐候性も高い
・生理活性が低いためヒトを含む生体への毒性が小さい
・撥水性が高い
・電気絶縁性が高い
・分解しても、分解生成物は主にシリカ(SiO2)と二酸化炭素(CO2)で、危険性が低い
・一般に無色・無臭

などがあげられます。

これらの特性のために、シリコンはさまざまな用途で利用されています。

オイル状のシリコンは、シリコンオイル、グリース、消泡剤、化粧品、シャンプー、リンス、ティッシュペーパー、などに、

ゴム状やゲル状のシリコンは、シーリング(密閉)剤、保護用部品、放熱材、型取り剤、カテーテル、人工心肺膜、コンタクトレンズ、豊胸用などの充填剤、などに

ワックス状のシリコンは、カーワックスなどに利用されています。


シリコンは髪に悪いの?


シャンプーやリンスに配合されているシリコンの役割は、髪のコーティングです。

シリコンは、すぐに髪の皮(キューティクル)に吸着します。

コーティングによって、外からの刺激から髪の毛を守り、紫外線などにも強く、日焼けなどが防げます。

静電気を予防したり、髪の毛をサラサラにして柔らかくしてくれて、無駄な摩擦も防げます。

髪のおさまりが良くなり、艶がでます。

シリコンが悪者のように扱われていますが、このような良いことはあります。

ただ、髪をシリコンでコーティングしただけであって、髪のダメージを修復するわけでも、髪を元気にするわけでもありません。

逆にシリコンは、吸着力がとても強いため、髪から剥がれる際にキューティクルを一緒にはがしてしまう場合があります。

ですから、ダメージヘアにシリコンシャンプーを使うと、さらにダメージを深めてしまう可能性もあるということです。

シリコンコーティングによって、パーマがかかりにくくなったり、カラーが染まりにくくなったりもします。

また、このシリコンの吸着力のため、洗っても取れにくく、毛根や頭皮に蓄積していきます。

健やかな髪を育てる毛根や頭皮の健康という意味では、シリコンは少なくとも良いとは言えないでしょう。

育毛剤を使用している人は、シリコンが邪魔をして育毛剤の浸透を妨げてしまう恐れもあります。

シリコンはこのように、良いこともあれば悪いこともあるということです。


ノンシリコンシャンプーなら大丈夫?


シリコンが配合されていないシャンプーであれば、髪が健康になるのでしょうか?

結論から言うと、そんなことはありません。

ノンシリコンシャンプーと謳(うた)っていても、通常はシリコンではないコーティング剤が配合されています。

スカルプDでいえば、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体が、シリコンのような働きをするコーティング剤として配合されています。

また、女性用スカルプDボーテには、コーティング剤らしき成分は含まれていないようです。

コーティング剤は多くの種類があり、その中のほんの1つがシリコンです。

さらに言えば、シリコンはまだマシ、もっと強力なコーティング剤が配合されている可能性もあります。

シャンプーのコーティング剤は、シリコンのような油分か、陽イオン性界面活性剤などですが、成分表を詳しく調べていけば、どれがコーティング剤かわかるでしょう。

しかし、そのコーティング剤が、自分の髪や頭皮にどのような影響を与えるのか、わかる人はほとんどいないでしょう。

ではノンシリコンではなく、ノンコーティングのシャンプーを求めればいいかというと、それは試してみないと分かりません。

ノンコーティングシャンプーは通常、洗い上がりはきしみ、仕上がりはパサパサの状態が数カ月続きます。

根気よく使っていると、髪に活力がもどりハリコシがでたり艶がでてくる場合はあります。

結局、ノンシリコンやノンコーティングといっても、一発で自分に合う商品にめぐり合うことは簡単ではありません。

良いこともあれば悪いこともあるのです。