スカルプDは無添加シャンプー
スカルプDは、以下の6つの成分が無添加となっています。
シリコン(コーティング剤)
パラベン(防腐剤)
フェノキシエタノール(防腐剤)
石油系界面活性剤
合成着色料
合成香料
だからといって、スカルプDは安全なのでしょうか?
下の成分表示は、スカルD(脂性肌用)のものです。
スカルDはノンシリコンですが、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体というコーティング剤が配合されています。
パラベンやフェノキシエタノールといった防腐剤は無添加ですが、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩はパラベンにかわる防腐剤です。ピロクトンオラミンやサリチル酸、そして1,2-ペンタンジオールなども防腐作用を持っています。
石油系界面活性剤は無添加ですが、ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウムのようなアミノ酸系界面活性剤や、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインのような両性界面活性剤など、複数の合成界面活性剤が配合されています。
合成着色料に関しては、他の着色目的の天然成分も配合されていないようです。
最後に、合成香料は無添加ですが、ユーカリ油、ハッカ油、オレンジ油、スペアミント油あたりの精油が、天然の香料となっています。
このように、無添加といっても代替成分が入っていることが多い、ということを理解しておくべきでしょう。
もちろんその代替成分は、より安全なものを利用しているのでしょうが、無添加シャンプーと書かれていれば安全、などと考えるのは愚の骨頂です。
それらが自分の頭皮や髪に悪影響がないかどうかは、調べてもわかるものではなく、利用してみないとわからないでしょう。
・スカルD(脂性肌用)の成分表示
有効成分:ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸2K、サリチル酸
その他の成分:豆乳発酵液、ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム液、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム液、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド液、ソルビトール液、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ニンジンエキス、党参抽出物加水分解液、ホウセンカエキス、オオバナサルスベリエキス、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体、ユニトリエノールT-27、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩、 10-ヒドロキシデカン酸BG、フィトスフィンゴシン、オトギリソウエキス、クリサンテルムインディクム抽出液、ユーカリ油、ハッカ油、オレンジ油、スペアミント油、N-カプリロイルアシルグリシン、 セリン、濃グリセリン、BG、1,2-ペンタンジオール、エタノール、無水エタノール、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、粘度調整剤、pH調整剤
スカルプDには表示指定成分が添加されている
表示指定成分とは、昭和40年代に厚生省が定めたアレルギーなどの皮膚障害を起こす可能性のある成分です。
安息香酸、クレゾール、サリチル酸、フェノールなどなど、消費者に注意を促すために102種類が選定され、それらが配合されているシャンプーなど化粧品類は、成分表示がメーカーに義務づけられました。
しかし、2001年の薬事法改正により、全成分を表示することが義務化されているので、表示指定成分という表現は少しおかしなものになっており、「旧・表示指定成分」と表現される場合もあります。
スカルプDには、表示指定成分のサリチル酸が配合されています。
でもメーカーは「表示指定成分が配合されていますよ」などとは言いません。
成分表にさりげなく記載されているだけです。
これが普通のメーカーだということを、忘れてはいけません。
防腐剤の無添加
スカルプDは、パラベンおよびフェノキシエタノールといった防腐剤がフリーです。
しかしこれらの防腐剤は無添加でも、他の防腐作用のある成分は入っています。
そもそも、防腐剤が一切無添加なら、シャンプーは湿気のあるお風呂場においておけば、雑菌が繁殖して、そのうち腐ってしまいます。
それをそのまま使用したら、かなり危険です。
防腐剤が本当に無添加のシャンプーの場合、冷蔵庫で保存するよう指定されていたりします。
これはこれでかなり面倒な話です。
スカルプDの場合は、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩や、サリチル酸などが防腐剤の代わりをしているようです。
このため、普通にお風呂場においておいても大丈夫なようです。
パラベンおよびフェノキシエタノールといった防腐剤はフリーだといっても、他の防腐剤は配合されているということを知っておきましょう。
石油系界面活性剤の無添加
スカルプDは「石油系界面活性剤」は無添加です。
スカルプDの販売サイトが言っている「石油系」の意味は少し曖昧です。
おそらく石油由来の原料ではなく、天然由来の原料から作られた界面活性剤を利用しているという意味でしょう。
あるいは、もっとせまい意味で、昔よく利用されていた分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムという、いわゆる石油系陰イオン界面活性剤を配合した合成洗剤ことを言っているのかもしれません。
いずれにしても、石油系ではないことは確かです。
しかし、天然由来の原料から合成して作っているので、「合成界面活性剤」は配合されています。
ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウムや、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど、複数の界面活性剤が配合されていますが、すべて合成界面活性剤です。
「石油系」は無添加でも、「合成」であることはあえて言いません。
スカルプDが悪いというのではなく、これが普通のメーカーだということを知っておきましょう。